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コラム

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JC-STAR制度★1適合基準と★3適合基準案(通信機器)、★3適合基準案(ネットワークカメラ)の比較

2026-01-05
本コラムでは、2025年11月27日~12月12日の間で行われた★3(レベル3)セキュリティ要件・適合基準案へのパブリック・コメント募集で公開された、
・★3適合基準案_ガイダンス文書あり(通信機器)
・★3適合基準案_ガイダンス文書あり(ネットワークカメラ)

と公開済みの★1適合基準との比較とその考察を行います。
1.JC-STARの適合基準
JC-STARの適合基準として求められるセキュリティ水準に応じたセキュリティ技術要件として、最低限の脅威に対応するための製品共通の適合基準・評価手順(★1(レベル1))と、製品類型ごとの特徴に応じた適合基準・評価手順(★2(レベル2),★3(レベル3),★4(レベル4))が設定される予定になっています。すでに、最低限の脅威に対応するための製品共通の適合基準・評価手順(★1(レベル1))は、2024年9月にリリースされ、改版もされています。2025年3月25日から★1(レベル1)の申請受付も開始しています。本コラムの執筆時で、135件の★1適合ラベル取得製品あります。

IoT製品類型ごとの特徴に応じたより高度なセキュリティ適合基準(★2以上)は、2025年11月27日~12月12日の間で、ネットワークカメラと通信機器の★3(レベル3)セキュリティ要件・適合基準案へのパブリック・コメント募集が行われました。スマートホーム関連機器に対するセキュリティ適合基準(★2)は、ネットワークカメラと通信機器の★3(レベル3)セキュリティ要件・適合基準案の次に作成する予定です。ネットワークカメラと通信機器の★3(レベル3)及びスマートホーム関連機器に対するセキュリティ適合基準(★2)については、2026年上期に受付開始する計画であると、IPAのホームページ内で説明されています。
また、その他の製品類型の★2以上の適合基準についても順次整備し、制度を拡張していくと、セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)以下のページでは説明されています。
2.通信機器★3 適合基準案、ネットワークカメラ★3 適合基準案と★1 適合基準との比較
そこで現在公開されている
・★1 適合基準(統一的な最低限の適合基準)
・通信機器★3 適合基準案
・ネットワークカメラ★3 適合基準案
を並べて比較を試みました。下表がその比較表になります。

★1 適合基準
(統一的な最低限の適合基準)の番号
通信機器
★3 適合基準案の番号
ネットワークカメラ
★3 適合基準案の番号
★1適合基準案と★3 適合基準案との差分
S1.1-01
S3.1-01
S3.2-02
あり。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-02
S3.1-02
S3.2-01
なし
S1.1-03
S3.1-03
S3.2-03
あり。部分的にアップデートあり。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-04
S3.1-04
S3.2-04
あり。部分的にアップデートあり。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-05
S3.1-09
S3.2-08
あり。部分的にアップデートと追加項目あり。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-06
S3.1-10
S3.2-09
なし
S1.1-07
S3.1-11
S3.2-10
あり。★3では、技適[T]マーク又は[A]マークが付与された IoT 製品は本適合基準に適合しているとみなすという表現がなくなった。適合条件が追加されている。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-08
S3.1-12
S3.2-11
あり。★3では、適合条件が追加されている。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-09
S3.1-13
S3.2-12
なし
S1.1-10
S3.1-14
S3.2-13
あり。部分的にアップデートと追加項目あり。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-11
S3.1-16
S3.2-15
なし
S1.1-12
S3.1-16
S3.2-19
あり。大きくアップデートと追加項目あり。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-13
S3.1-20
S3.2-22
なし
S1.1-14
S3.1-23
S3.2-32
あり。★3では、技適[T]マーク又は[A]マークが付与された IoT 製品は本適合基準に適合しているとみなすという表現がなくなった。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-15
S3.1-33
S3.2-36
あり。★3では、適合条件が追加されている。通信機器★3とネットワークカメラ★3の適合基準案に差分なし。
S1.1-16
S3.1-45
S3.2-43
なし
適合条件に差分の無い場合は、セルの背景色が緑色になっています

各々、★1 適合基準:16件、通信機器★3 適合基準案:47件、・ネットワークカメラ★3 適合基準案:45件の適合基準案があります。★1 適合基準:16件との差分のない★3適合基準案は5件、その他(11件)はなにがしかの差分があります。また、気を付けるべき点としては、適合基準の番号と適合条件が全く同一ではありませんので、IoT製品ベンダーの皆様におきましては、「★1 適合基準は、統一的な最低限の適合基準なのだから、IoT製品類型ごとの適合基準案でも番号も適合条件も同じだろう」というような思い込みを持たず、★3 適合基準案に謙虚に向かう姿勢が必要です。また、現在の★1 適合基準も★3 適合基準案に合わせるために、IPAによって更新される可能性があるとも考えておく必要もあると思いますので、IoT製品ベンダーの皆様の定期的な、適合基準の更新状況の確認をECSEC Lab.は、お勧めします。
3.通信機器★3 適合基準案、ネットワークカメラ★3との比較
続いて、通信機器★3 適合基準案、ネットワークカメラ★3 適合基準案の比較を試みました。下表がその比較表になります。

通信機器
★3 適合基準案の番号
ネットワークカメラ
★3 適合基準案の番号
差分
S3.1-01
S3.2-02
なし
S3.1-02
S3.2-01
なし
S3.1-03~S3.1-07(5件の適合基準案)
S3.2-03~S3.2-07(5件の適合基準案)
なし
S3.1-08
 
通信機器★3 適合基準案のみ
S3.1-09~S3.1-33(25件の適合基準案)
S3.2‐08~S3.2-32(25件の適合基準案)
なし
 
S3.2-33
ネットワークカメラ
★3 適合基準案のみ
S3.1-34~S3.1-39(6件の適合基準案)
S3.2-34~S3.2-39(6件の適合基準案)
なし
S3.1-40
 
通信機器★3 適合基準案のみ
S3.1-41
 
通信機器★3 適合基準案のみ
S3.1-42~S3.1-47(6件の適合基準案)
S3.2-40~S3.2-45(6件の適合基準案)
なし
★3適合基準案総件数:47件★3適合基準案総件数:45件

適合条件に差分の無い場合は、セルの背景色が緑色になっています

分類すると、
・通信機器★3 適合基準案とネットワークカメラ★3 適合基準案の共通適合基準案:44件(★1適合基準:16件を含む)
・通信機器★3 適合基準案のみにある適合基準案:3件
・ネットワークカメラ★3 適合基準案のみにある適合基準案:1件
という構成になっています。

通信機器★3の適合基準案とネットワークカメラ★3 適合基準案間の差分はわずかしかありません。ということは、今後★3製品類型に該当する新た対象機器が増えることがあっても、まずは★3としての共通であろう適合基準案についての対応検討を自社で進めるという方針を立てることが可能になると考えられます。また、ネットワークカメラと通信機器の★2(レベル2)の適合基準案が今後作成されると考えるならば、それは★3適合基準案のサブセット版となるだろうとも予測できるかと思います。
4.本コラムのまとめ
ネットワークカメラと通信機器の★3(レベル3)セキュリティ要件・適合基準案が公開されたことで、★1適合基準と★3適合基準案との共通/差分、ネットワークカメラと通信機器との★3適合基準案のとの共通/差分が見えてきました。このことより、今後の新たな製品類型ごとの適合基準における共通となる適合基準の傾向・方向性も少し見えてきたと考えられます。IoT機器ベンダーの皆様においては、これらの情報を取り入れて、セキュアな製品の開発に取り組んでいただければと思います。
JC-STAR★1、通信機器★3とネットワークカメラ★3ラベル取得に関する評価のご依頼、ご質問、ご相談のお問い合せは、お問い合せフォームに必須事項をご入力の上、ご連絡ください。
HP内で公開しています
JC-STAR評価サービスQ&A集もご活用ください。
本コラム公開時、IPAによる暫定措置として、ECSEC Lab.は「JC-STAR暫定評価機関」です。製品評価技術基盤機構(NITE)の製品評価技術基盤機構認定制度(ASNITE)の中に、JC-STARの★3(レベル3)以上の評価を行える事業者についてISO/IEC 17025に基づくJC-STAR評価機関認定制度を設け(2025年度以降)、適切な能力及び体制を整備した事業者を「JC-STAR評価機関」として認定する予定となっており、ECSEC Lab.は認定取得を予定しています。
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